プレイする海外ドラマLife is Strange2感想[ネタバレなし]

ゲームタイトルのロゴ ゲームのレビュー
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海外ドラマや、海外のリアルの日常生活を体験したい、といった人におすすめしたいのがこのゲーム、「Life is Strange2」。
 
16歳の兄ショーンは9歳の弟ダニエルと父の三人でアメリカに暮らしていました。
ある日ダニエルが突然使えるようになった超能力がきっかけで事件を引き起こし、警察に追われ、メキシコへ自由を求めて旅をすることになります。

旅の中で二人の少年は大人にならざるを得なくなるほど、過酷な状況に何度も遭います。
この旅で何を学び、何を選ぶのか。
その選択肢はプレイヤーの選択肢で全てが決まります。

一つのドラマと言っていいほど完成度の高いゲームですが、ひとつだけいっておきます。
Life is Strange2は気持ちに余裕がある時にプレイしような!!!

ではゲームの紹介に入りたいと思います。

ゲームのタイトルロゴ
公式ホームページより引用

Life is Strange2はこんなゲーム

簡単にまとめると…

・二人兄弟の兄になってストーリーを進めていくアドベンチャーゲーム。
・主人公のショーンは超能力が使える弟ショーンを導きながらメキシコを目指す。
・選択肢によってストーリーの展開が変わる。
・登場人物の感情とかを考察したり、重めのストーリーが好きな人に特にオススメ。

ゲームの概要

[ゲーム会社]
  フランスのゲーム会社DONTNODによるゲーム。
[ジャンル]
  アドベンチャー。
[対応ハード]
  PS4、Steam、Xbox One
[総プレイ時間]
  約15時間ほど。
  全5章で形成されており、1章は大体2〜3時間ほどでプレイできます。
[トロフィーコンプリート]
  ある特定のものを探すとトロフィー取得。
  注意深く探していれば簡単に見つかるけど、選択肢次第ではそのもの自体がストーリーに
  出てこないので周回する必要性有り。
[周回要素]
  あり。
  一周目で自分が選べなかった展開を見たいというモチベーションの高さで周回したいかが
  決まります。
  私はある登場人物を幸せにしたい!という思いと、こいつとのエンディングをむかえた
  い!という思いで2周ゲームをプレイしました。
  ある程度見たムービーはスキップできるので、そんなに1周目よりは時間がかかりま
  せん。

ゲームシステム

Life is Strange2は物語を進める上で出てくる選択肢を選び、未来を決めるゲーム。

プレイヤーが操作するショーンは生き抜くために選ばなければならない、そして時には選びたくない選択肢と向き合うことになります。

Life is Strange2は①兄弟愛パラメーター、②道徳パラメーターが設定されています。
このパラメーターはショーンの他人に対する接し方行動で数値が上下し、エンディングに大きく関係してきます。

パラメーターの中で特に大事なのが弟ダニエルに対する接し方。

このパラメーターが悪寄りな考え方なのか善よりの考え方なのか、兄弟の仲がいいのか悪いのかで弟ダニエルの社会に対する考え方や、兄ショーンに対する態度が大きく変わってきます。

具体的に言えば物を盗むのに抵抗を覚えなくなったり、ショーンが注意してもダニエルがショーンのいうことを聞かなくなったりします。

ダニエルをどういう風に成長させたいのかはプレーヤーによる判断が大きいのですが、何よりも一番注意しなければならない大事なことがあります。
それはダニエルが使える超能力をどのように使うか。この力はダニエルしか使えません。

物語では基本的にダニエルの力を秘密にする、というのがショーンの考え方です。
しかし、物語が進むうちにどうしてもダニエルの超能力に頼らざるを得ないような展開になります。

その時に超能力を隠すことを重要視するのか、それとも何かを守るために力を使うのか。

いくら超能力を使える特別な少年だといってもダニエルはまだ9歳です。
物事の善悪をまだ自分自身で判断することができません。

ダニエルを守りたいという気持ちと、超能力を使わざるを得ないジレンマにプレイヤーのあなたは悩むことになります。

選択肢を選ぶ画面
この選択肢によって絆が深まったりしなかったり



自動セーブであり、前作みたいに時間を巻き戻すシステムがないためプレイヤーは一度選んだ選択肢を後悔したり、悩みながら旅を続けていくことになります。

この戻せない選択が本当の人生のようで、なおさらショーンの人生について真剣に考えざるを得なくなり、ゲームの世界に入り込んでいくことになります。

おもしろいところ

・選択肢でガッツリと変わる未来
このゲーム最大の売りである選択肢で変わる展開。

Life is Strange2で選んだ未来はどれが正解なのかは誰にもわからないことですし、人によって「正解」は変わります。

自分が選んだ選択肢が望まない展開であっても次に進んでも結果的にそれが良くなったりすることもあります。

この「これが物語の最適解だ!!」と押しつけられないのが最大の面白いところです。


・自分の選択肢を世界中の人と比較できる
章が終われば世界のプレイヤーが選んだ選択肢、自分のフレンドが選んだ選択肢を確認することができ、自分とは違った選択肢を知ることができます。

私がプレイした時はダニエルが兄の言うことをよく聞く良い子ちゃんだったので、ダニエルが手伝いを頼んだ時に拒否されることがあることもあると知り、「うちのダニエルちゃんいい子!!!」って愛着がわきました。

・選択肢の感情の幅広さ
選ぶ選択肢も、いわゆる「いいこちゃん」の選択肢だけではありません。
時には憎たらしい人には嫌味を言ったり、拒絶する選択肢もあります。

幅広い感情の選択肢が用意されているので、その選択肢はプレーヤーの気持ちに沿った選択肢じゃない!!といったような主人公の気持ちとのズレは少なくなり、気持ちよくストーリーを進めることができます。


・深く登場人物に感情移入できる
主人公となるショーンは普通の一般家庭かつ普通の感性の16歳の子。
特にひねくれたものの考え方はせず、すんなりショーンを軸に感情移入することができます。

私にとってかなり前に過ぎたこの歳特有の感じ方や、楽しかったことをショーンを通じてもう一回体験できるのがこのゲームの魅力だと思います。

この年齢のとき自分はどんなこと考えて生きていたっけなぁと少しあまずっぱい気持ちになります。

そしてもう一人の主人公、ダニエル。9歳。
子どもじゃないけど大人でもない、背伸びをしたい時期をうまく表現されたキャラクターです。

私も兄が兄の友達とだけ遊んでいて自分にかまってくれなく、つまらない思いをしていたなぁという幼い頃を思い出しました。
まあ私の兄はショーンみたいに優しい兄貴じゃ全っ然なかったんですけどね!!!!


Life is Strange2はシステムとして、いろいろなものを調べることができます。

家の中を探索しているショーン
`家に置いてあるたくさんのものを調べることができます


それについて一つ一つショーンがコメントをするので、ショーンはこんなふうに感じるんだな、とショーンという人間を深く知ることができます。

普通の家庭に入ることもあるので、その人の住んでいる家、部屋、家具、貼っているポスターやものの置き方でその人がどんな生活をしているのかを想像することも楽しかったです。


・憎たらしいほどリアルな弟ができる!
私は末っ子だったので幼い頃は思ったものです。「弟か妹が欲しいなあ」と。
それを私はLife is Strange2で実現しました。
憎たらしいほどリアルな弟、ダニエルができました。

ゲームシステムでも述べましたが、このゲームは弟との接し方が非常に重要になります。

あんまりしつこく注意したり、怒ったりするとたちまちダニエルの兄へ対する好感度がガクッと下がり、いう事を聞かなくなります。優しく叱るべきところは優しく叱らなければなりません。

失敗には優しくフォローを入れ、なぜダメだったのかを優しく諭し、ほめるべきはほめる。
決して感情的になってはいけません。兄っつーよりは16歳の父。

ショーンのそのあまりにも大人な態度は本当に16歳かと疑ってしまうほど素晴らしいものでした。私が16の時は絶対にこんなに大人ではなかった。間違いねえ。

あからさまに弟が悪いのにこちらが年上だから、とグッッと我慢したシーンが何回も何回もありました。このやるせない感情は兄か姉じゃないと味わえない貴重な体験です。

でもこのばか!と思った後でもダニエルの嬉しそうな「ありがとう」や「ごめんなさい」で結局ゆるしちゃうんだよな〜。

ダニエルがリアルな9歳の子どもを描写したからこそ本気で子育てをした気分になれます。


・アメリカの文化を体験できる
プレイヤーはショーンの行動を追うことでアメリカの文化を体験することができます。

「家族」がテーマなだけあって、Life is Strange2では家族について深く触れられています。

LINEみたいなメッセージアプリでの父親とのやりとりでは普通に「愛してるよ」とか言い合ってたりして、oh…これが欧米文化…となったものです。

作品全体を通して家族愛をこれでもか!と相手に伝えるのはやはり日本にはないものだとしみじみ実感しました。

他に気になったのはタバコ、酒、ハッパ。
物語で何回も登場してきます。



一応父からは止められている描写はありますが、タバコはスパスパ吸いますし、酒もガブガブ清々しいくらいに飲んでいます。アメリカは日本と違ってゆるいのかな?

弟に隠れてタバコを吸うショーン。イケメン。
弟に隠れてタバコを吸うショーン。イケメン。



あとは人種差別だったり、宗教に対する考え方だったり、やっぱり今のアメリカが直面している問題がストーリーに関係してきます。

非日常なストーリーなんですけど非日常の中に日常があるではなく、日常の中に非日常があるんだな、と感じるような自然さが好きです。


・アメリカを旅できる
ゲーム全体を通してアメリカ西部からメキシコまで横断することになります。

その時に見られる自然のスポットが日本とはまた違って、本物の場所を見に行きたくなるほど美しい場所がたくさん出てきます。

気になったところ

・ダニエルを好きになれるかなれないかでこのゲームの面白さがガラッと変わるところ
テーマが「家族と教育」だとはいえ、さすがに我慢しきれないところがあります。
そう、それはダニエルのわがまま。

まだ9歳だから、幼いから物事の分別がつかないから、とガマンできるのは最初のうちだけ。

それこそ始めのうちはダニエルも慣れない環境で頼れるのは兄であるショーンだけだから、比較的言うことを聞いてくれます。しかし、物語が進行するうちにダニエルもどんどん成長し、自分を対等に扱ってくれることを望みます。

それ自体はさびしいけど喜ぶべきことかなと思えるのですが、「特別な力を隠す」という重大性をいまいち理解できずに、ショーンが止めるのも聞かずにトラブルを引き寄せます。

これは物語が動く時にすべてダニエルの行動をきっかけにした製作者が悪いのですが、「お前またやらかすのかよ!」感はハンパないです。

このダニエルが起こしたトラブルをすべてショーンが尻拭いしなければならず、「もうダニエルのことはあきらめるんだ、ショーン…」と何回語りかけたことか。

それでもショーンは「絶対に家族を守るマン」なので何度もあきらめずにダニエルとメキシコに行くために努力します。

とあるシーンでショーンがダニエルを取り戻すために奮闘するシーンがあるのですが、プレイヤーのダニエルに対する好感度でショーンに感情移入できるか否かが分かれるのかな、と思いました。

良くも悪くもダニエルは好みが分かれる子どもなのでクソガキが嫌いな人はストレスがたまるかもしれません。


・エリア探索でのダニエルの行動
このゲームは様々な場所を探索するゲームなのですが、今回は常にダニエルとともに行動を共にします。

ダニエルは色んなものに興味を示しこちらに話しかけてくるのですが、そのタイミングが自分が「調べる」のと同タイミングだった場合、調べたものに対するショーンのコメントが優先されるのでせっかくダニエルが話しかけてくれた言葉が打ち消されてしまいます。

探索中に話しかけられるショーン
わしゃあツリーハウスが気になるんじゃ!今は構うな!


話しかけてくれた内容も、今の状況に対するコメントだったり、ダニエルとの新しい交流のきっかけになるものだったりと、「聞いておきたかった!!」と思うようなものばかりなので探索する時には少し気を使います。

セリフを全部聞いておきたい人にとっては少しストレスになるかもしれません。


・ちょっとした障害物もまたげない残念なショーン君
Life is Strange2はアクションゲームではないのでそこまで操作が快適である必要はないのですが、少し岩があるだけで進めなくなるのはストレスでしかありません。
道に少しでも障害物があればそこの場所は進めないと思ってください。

残念ながらショーン君は岩とかをまたぐという概念が頭にないみたいなので、そこは大人しく迂回しましょう。

たまに時間制限がある時に障害物をまたげないのがすごくストレスになるんですよねえ。

・ちょっとムービーが多い
そのまんま。ちょいちょいムービーが入るのですが、たまにすごく長くムービーが入る時があります。苦手な人には苦手かも。

まとめ

Life is Starange2は…
選択肢が非常に重要なゲーム
良くも悪くもリアルな弟ダニエルがこのゲームの印象を決める
ショーンになってアメリカの文化を体験できる

余談。

前作との関連性

Life is Strange2はタイトルに2とあるようにシリーズものです。

この他のゲームにLife is Strange(ライフイズストレンジ)
Life is Strange:Before the Storm(ライフイズストレンジ ビフォア ザ ストーム)The Awesome Adventures of CaptainSprit(オーサム・アドベンチャーズ・オブ・キャプテン・スピリット)があります。

Life is Strange(ライフイズストレンジ)はLife is Strange2の前作にあたる作品です。
直接は関係はありません。
ただゲームを始める前にLife is Strangeのエンディングで選んだ選択肢を聞かれたり、
前作で出てきたキャラクターがLife is Strange2で少し登場し、前作の主人公がどうなったのかを匂わせてくる程度です。

Life is Strangeをやっていなければ展開が全然分からない!ということは一切なく、プレイしてなくても全然影響はありませんが、遊んでいた方が楽しいといった程度です。

Life is Strange:Before the Storm(ライフイズストレンジ ビフォア ザ ストーム)
Life is Strangeの外伝にあたる作品で、Life is Strangeの前日譚にあたる作品です。

私はプレイしていないのでわかりませんが、特にLife is Strange2に関係するところはないと思います。


The Awesome Adventures of CaptainSprit(オーサム・アドベンチャーズ・オブ・キャプテン・スピリット)Life is Strange2に大きく関係する作品で、Life is Strange2をプレイする予定がある人ならばぜひ!!!!Life is Strange2をプレイする前に遊んで欲しいゲームです。
The Awesome Adventures of CaptainSpritの主人公クリスはLife is Strange2の弟のダニエルと同じ年齢の男の子で、ヒーローに憧れるごく普通の少年です。
この子がもう本当に健気で健気で…。とにかく応援したくなる少年です。

太っ腹なことにこのゲームは無料なのでPlay Station Storeからダウンロードして遊んでみてください。
クリアするとクリスのある設定が引き継がれます。

知ってたらもっと物語がおもしろくなる!

amazonのprime videoに「刑務所1日体験」というアメリカのドキュメンタリー番組があります。

prime videoより引用

この番組は、いくら注意してもなおらない非行少年少女を本物の刑務所で1日囚人体験をさせて、更生しないとお前らの未来もこうなるぞ!と力ずくで分からせる大変発想がぶっ飛んだ番組となっております。

毎回違う州の刑務所が紹介され、1話で完結されています。

どこも共通しているのは、囚人は人間扱いをされていないということ。
トイレで同性にレイプされていても、共同部屋で同居人に半殺しの目に遭っていても誰も助けてくれないそうです。

何を言いたいのかというと、もしショーンが途中で警察に捕まったらこの劣悪な刑務所に入れられてしまうということ。
アメリカの刑務所に入るということはどういうことか、を理解してLife is Strange2をプレイすれば絶対に捕まりたくないという緊迫感でこのゲームをプレイすることができます。


コメント

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